髪の毛の基本構造や主成分をご存知でしょうか。髪の毛は「メデュラ・コルテックス・キューティクル」の3層構造になっています。これら、3つで構成されている髪の毛の主成分は「ケラチン」と言うたんぱく質です。髪の毛の主成分は一般的にアミノ酸と言われていますが、どういう事なのかを説明したいと思います。

髪の毛の基本的な構造

髪の毛は3層構造になっていて、中心部分から「メデュラ(毛髄質)」「コルテックス(毛皮質)」「キューティクル(毛皮質)」の様になっています。それでは以下でそれぞれの役割をご紹介します。

メデュラ(毛髄質)

メデュラは少量のメラニン色素を含んだ立方体の細胞が蜂の巣の様に並んでいて、内部には空気を通す為の穴が空いています。その穴の役割は空気を溜めこんで、高温・低温から頭皮や脳を守る働きをしています。

主成分はたんぱく質と脂質で、メデュラは主に髪の毛のコシや太さに関わっています。メデュラが太くしっかりしていると、髪の毛は太く硬い髪質になります。赤ちゃんの髪の毛や産毛は細くて柔らかいのでメデュラが無い状態なのです。

コルテックス(毛皮質)

髪の毛の大部分を占めているのがコルテックスです。コルテックスはメラニン色素を含む細い繊維状のたんぱく質が、束状に集まって構成されています。

このコルテックスに含むメラニン色素の量によって髪の毛の色が変化するのです。髪の毛のいろは人種によってさまざまですが、このメラニン色素の量が異なるからなのです。また、コルテックスは紫外線から頭皮を守る役割も担っています。

キューティクル(毛表皮)

キューティクルを知らないと言う人は殆どいないと思いますが、キューティクルの働きまで知っている人は少ないと思います。

キューティクルは髪の毛の一番外側の表面部分になります。透明な細胞がうろこ状に重なって構成されている毛表皮の事です。

キューティクルは髪の毛を外部からの雑菌等から守り、髪の毛内部の栄養素を外に逃がさない為に非常に硬くできていて、髪の毛を保護してくれるバリアーでき存在なのです。

キューティクルが破壊されると髪の毛の水分が保持できなくなり髪の毛がばさばさになったりして、見た目に大きく影響します。

以上が髪の毛の基本構造です。髪の毛は一度傷んでしまうと、次に生え変わるまでそのままの状態です。髪の毛には皮膚の様に自然治癒力が無いので傷まないようにしっかりとケアしてあげて下さい。

髪の毛の主成分

髪の毛の主成分は巷ではアミノ酸と言われていますが、実は複数のアミノ酸から合成されたケラチンと言うたんぱく質が正解なのです。アミノ酸から合成されているので間違いではないのですが、正確にはケラチンと言うたんぱく質が髪の毛の主成分となります。

そもそも私達人間は水分とたんぱく質で構成されているます。そして、髪の毛はそのたんぱく質の中のケラチンで構成されているのです。ケラチンは18種類のアミノ酸が結合してできるタンパク質で、どれか1つでもかけてしまうとケラチンが生成できなくなってしまうのです。

ですから、栄養バランスの取れた食生活が重要なのです。また、アミノ酸系のシャンプーが髪の毛に良いと言われているのは、髪の毛はアミノ酸からなるケラチンが主成分だからなのです。

それからケラチンは、髪の毛以外にも「皮膚・爪」等の角質層の形成にも必要な成分なのです。そもそも髪の毛は皮膚が変化したもので、皮膚の延長線上になるのが髪の毛なのです。

そして、ケラチンの特徴は弾力性に優れていて、水分をたくさん含んだ細長い繊維状の形をしていて、アミノ酸の配合により2種類に分かれます。1つは「硬ケラチン」で髪の毛や爪を構成するケラチンで、もう1つは角質層を構成するケラチンとなります。

ケラチン合成に必要な18種類のアミノ酸

アミノ酸 含有率(%) アミノ酸 含有率(%)
グルタミン酸 15.00 プロリン 6.75
シスチン 13.72~16.00 グリシン 6.50
ロイシン 11.30 チロシン 5.80
アルギニン酸 10.40 バリン 4.72
セリン 9.41 アラニン 4.40
アスパラギン酸 7.27 フェニルアラニン 3.70
スレオニン 6.76 リジン 3.30
メチオニン 0.71 トリプトファン 0.70
ヒスチジン 0.70> ヒドロキシプリン 0.21

ケラチンの成分は上記の表の通りです。その中の16%も含んでいるシスチンと言うアミノ酸が少し特殊で、摂取するのが非常に難しいと言われています。

シスチンとは

シスチンとは含硫アミノ酸(硫黄を含んだアミノ酸)で、ケラチンを合成するのに必須のアミノ酸なのです。

このシスチンはメチオニンと言うアミノ酸から合成されるのですが、このメチオニンが人間の体内で合成される事の無いアミノ酸なので少し厄介なのです。このメチオニンと言うアミノ酸は人間が生命を維持するのに必要不可欠なアミノ酸なのですが、体内で合成される事が無いので、外部から摂取するしか方法が無いのです。

メチオニンは毎日の食事から摂取するか、サプリメントなどで摂取するしか方法が無いのです。メチオニンが多く含まれている食材は「肉・大豆・牛乳・レバー・魚・玉子・小麦粉(全粒粉)」です。

これらの食材を毎日バランスよく摂取する事で、メチオニンが合成され、シスチンを合成します。

しかし、このシスチンはアセトアルデヒドの分解や、網膜の疲労によって消費されるので注意が必要なのです。アセトアルデヒドとは、飲酒する事によって発生する有害な成分で、せっかく体内に蓄えたシスチンも過度な飲酒で徐々に消費してしまう事になるのです。

少量の飲酒なら問題はないのですが、大量にお酒を飲む事でアセトアルデヒドが大量に発生してしまいシスチンも大量に消費してしまう事になります。それから、網膜の疲労にもシスチンは消費されます。網膜の疲労とはTVゲームのやりすぎ、パソコンのやりすぎ、スマホの触りすぎ等で、目が急激に疲れてしまう事です。

網膜が疲れてくるとシスチンが消費されます。すると、髪の毛の生成・成長に必要なシスチンが無くなってしまい、髪の毛が成長しなくなってしまうのです。髪の毛に送られる栄養素は残念ながら一番最後になります。

つまり、飲酒や網膜の疲労などで、シスチンを大量に失ってしまうと、髪の毛の成長に必要なシスチンが無くなって不足してしまうという事になるのです。

以上のようにシスチンは少し特殊なアミノ酸という事が分かります。シスチンを摂取する為に毎日の食生活を気にしていても、過度の飲酒や、網膜の疲労なのでシスチンが不足してしまう事にもなるので、毎日栄養バランスのとれた食事やサプリメントなどでしっかりとメチオニンを摂取してください。そして飲酒を控える事と、網膜の疲労を極力避けるようにしてください。

つまり、何事もバランスの良い生活習慣を意識する事が重要という事です。栄養バランスを考えた食生活、適度なパソコン、適度なゲーム、がシスチンの不足を解消して、髪の毛の成長を促進させるのです。また、毎日忙しくて栄養バランスのとれた食生活が難しいと言う方はサプリメントなどを利用するようにしましょう。

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